“欲しい”から生まれた、“必要”とされるモノ

株式会社マザーテラス 代表取締役
須藤 伊世(ストウ イヨ)さん

出産・授乳期に「本当に欲しい下着がない」と感じた自身の経験をきっかけに、女性のライフステージに寄り添うインナーの企画・販売をスタート。肌へのやさしさ、着心地、機能性を追求し、敏感肌対応の素材やタグレス仕様など、細部にまでこだわった製品を展開。クラウドファンディングやECを活用し、全国の女性たちに支持されるブランドへと成長させた。
関西での会社員経験を経て、自然豊かな島根の地にUターン。母として、女性として、そして起業家として、「小さな声に耳を傾けるものづくり」を信条に、地域とともに歩む事業を展開している。
「自分が欲しかったものは、きっと誰かも欲しいと思っている」――その想いを原動力に、日々インナーに込めるのは、やさしさと誠実さ。そして、すべての女性が自分らしくいられるための一枚。

フェムケア下着ブランドnoA600



インタビュー

Q.起業したきっかけは?

産後、子育てをきっかけにふるさと島根に移住したことが起業のきっかけです。
移住により大好きな仕事を退職する必要が生じたため。子育てと両立できる仕事を模索した結果、現在のスタイルに辿り着きました。

Q.キャリアや仕事を大事にする時に悩んだことは?

私はキャリアや仕事を優先しない判断をしました。
子供と私に両方にとって最も良い環境を選んだ結果、今の仕事に繋がっています。

Q.キャリアや仕事のために払った犠牲は?

自分で知らず知らず築いた固定概念に守られている「安心感」を捨てること。
起業した理由を後から振り返ると、本当にやりたかったのは起業そのものではなく、固定概念を外していいよ。という自分への許可だったのかもしれません。

Q.どんな風に自分のモチベーションとうまく付き合っている?

自分のコンディションを最優先する。疲れたら、休むこと。
迷った時は、希望から来たものか?恐怖や不安から来たものか?を基準に、「よりワクワクする方」を選ぶ。

Q.あなたの強みは?

素直さ。対話力。チャレンジ精神。人に恵まれること。
目標が定まったら、一生懸命頑張り、やり遂げるがある一方、目標が定まらないモヤモヤ期には、うだうだと優柔不断なこともある。そんな時間もまた必要だと、最近ようやく思えるようになってきました。

Q.人生の中で何を一番大切にしている?

幸せでいること。

Q.ビジネスを自分ですることで気づいた教訓は?

私が幸せでワクワクしていることが最も価値がある。
家族でも、仕事でも、一番価値があるのは「私自身がワクワク、して希望を持っている」状態を維持することだと気づきました。

Q.今までに人生で一番辛かったこと

産後のモヤモヤ期。
母・妻として、こうでなければという、自分で作り上げた固定概念にとらわれていた。それを乗り越えて、自分なりのやり方が見つかるまでが、とても辛かったし、周囲にも迷惑を掛けたと思います。

Q.その辛かったことをどう乗り越えたか

人のためではなく、自分のために選ぶこと。
最初、子育て関連で事業化しようとして壁にぶち当たり、夫に言われた一言「伊世はなんか、苦しそうに見える。もっと好きなことをやったら?」この言葉をキッカケに、物販だ。と思って方向転換しました。
子育ての専門家から教わった「自分の愛情タンクが満タンになって、そこからあふれた分が、人のためになる。」という言葉との出会いも大きかった。

Q.ビジネスを始めるにあたって、一番心に残るアドバイスは誰から?どんな?

まず与えなければ、受け取ることもない。
ビジネスコンサルティングを受けていた先輩起業家の言葉。

成長するためには自分が実現したい成功を、既に達成している人の助言に耳を傾ける必要がある。
お金がないとしても、ワンランク上の人から与えてもらうためには、できることはいくらでもある。
相手をよく観察して、相手が最も欲しがっていて、今の自分にできることを一生懸命探して実践せよ。
という意味だったと思います。

Q.2030年の自分はどうなっている?

女性が日常に抱える生理や性に関する小さなモヤモヤを「より心地良い選択」で解決できる仕組みを仲間と共に創り、深い充実感と、未来へのさらなる新しい選択肢をワクワク探しています。

Q.これから起業したいと思っている人へのメッセージ

前向きな希望から生まれた事業なら、必ずうまくいく。
私は途中で何度も方向転換してきました。はじめから完璧でなくていいと思います。

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