
育児の悩みから生まれた petapeta-art®
株式会社petapeta 代表取締役
山崎 幸枝(ヤマザキ サチエ)さん
育児のストレスをきっかけに、親子で成長を喜び合える時間を届けるべく、petapetaを立ち上げた山崎幸枝さん。
petapeta-art®は、子どもの手形や足形を使って作品をつくる、育児の記録と癒しを両立するアートとして広がりを見せている。
全国に講師を育成しながらも、仕事と家庭の両立や幼少期の葛藤など、山崎さん自身も多くの困難を乗り越えてきた。
インタビューでは、創業の背景から人生の教訓まで、リアルな言葉で語っていただいた。
■株式会社petapeta
インタビュー
Q.起業したきっかけは?
初めての育児で、疲れとストレスから体調を崩したことがきっかけです。
この経験から、「育児ストレスを軽減しつつ、子どもの成長を親子で一緒に喜ぶことができるサービス」があれば、育児生活をもっと楽しく彩れるのではないかと考えました。
Q.キャリアや仕事を大事にする時に悩んだことは?
最も悩むのは、仕事と家庭の時間配分、特に家族へのケアをどこまで優先するかという点です。
仕事が多忙な時に子どもの体調不良などが発生すると、どうしてもケアしきれない部分が出てしまいます。その都度、バランスの取り方や周囲のサポート体制の構築について深く考えます。
Q.キャリアや仕事のために払った犠牲は?
幸い、何かを犠牲にしたという感覚はありません。もちろん大変な状況はたくさんありましたが、それらは全て私自身の成長の糧となっています。
困難を乗り越えるたびにスキルや知恵が身につき、結果的にそれが仕事や人生を豊かにする経験になっていると捉えています。
Q.どんな風に自分のモチベーションとうまく付き合っている?
モチベーションを無理に上げようとはしません。モチベーションが上がらない時は「そういう日だ」と受け入れ、淡々と業務をこなすことに注力します。
逆に、モチベーションが高まっている時はその波を最大限に活用し、集中して一気に作業を進めます。
波をコントロールするのではなく、波に乗るイメージです。
Q.あなたの強みは?
全体を見渡し、各要素のバランスを取りながら物事を進められる点です。また、普段はダメダメな部分ばかりなのですが、いざという時には意外とタフな一面もあり、それは強みかもしれません。
Q.人生の中で何を一番大切にしている?
「まずは自分自身が人生を楽しむこと」です。
自己犠牲の上に成り立つ奉仕や努力は、長くは続きません。自分が満たされ、楽しんでいる状態こそが、結果的に家族や仕事、社会に対してポジティブな影響を与えられる源泉だと考えています。
Q.ビジネスを自分ですることで気づいた教訓は?
ビジネスを通して得られる学びや哲学は、実は家庭生活や人生全体にも共通するものが非常に多いということです。
問題解決のプロセス、人とのコミュニケーション、目標設定など、その根幹にある原理原則は同じだと気づきました。全てが繋がっていると実感しています。
Q.今までに人生で一番辛かったこと
幼少期から成人するまでの期間です。両親から愛されていたことは理解していますが、波瀾万丈な家庭環境が続き、心の奥底では常に辛さを感じていました。表面上は明るく振る舞っていても、内面では様々な感情と戦っていた時期が一番辛かったですね。
Q.その辛かったことをどう乗り越えたか
辛すぎる時は、「心を無にする」ことを意識していました。自分の力ではどうすることもできないこともあったので、そんな時は深く考えすぎず、感情をシャットアウトしちゃうイメージです。そして、「今、この瞬間」を乗り切ることだけに注力していました。
Q.ビジネスを始めるにあたって、一番心に残るアドバイスは誰から?どんな?
特定の一人ではなく、多くの人からの学びの総合的な教訓ですが。「致命傷を負わなければ死にはしない」ので、小さな挑戦は恐れず、大怪我をしないよう慎重に。短期的な成功を追わず、時代に合わせてしなやかに、ゆるやかな成長で良いので、長く生き残ることを常に意識しています。
Q.2030年の自分はどうなっている?
2030年の自分自身は、今と「人としての軸」は大きく変わらないかもしれません。しかし、「日々、今目の前にいる人を大切にする」というシンプルな行動を積み重ねることで、長期的に周囲の人々や社会に少しでも貢献できる存在になっていたいと考えています。
Q.これから起業したいと思っている人へのメッセージ
起業には大変なことも多いですが、それを遥かに上回るやりがい、楽しさ、そして自由が待っています。経験してみて損はないので、少しでもチャレンジしてみたい思いがあるなら、失敗を恐れずにぜひ一歩を踏み出してみてください。 きっと新たな世界が広がります。