“ないなら、つくる”——介護と育児の現場から生まれた支援のかたち

N.K.Cナーシングコアコーポレーション合同会社 代表
遠距離介護支援協会 代表
神戸 貴子(カンベ タカコ)さん

自ら子育てや仕事と介護の両立を経験し、介護保険適用サービスでは介護をする側の人に対するサービスが行き届いていないことを実感。「介護を理由に夢を諦めないで」という思いから、2014年に介護保険適用外サービス「わたしの看護師さん」を創業。2018年、介護保険外サービスのスペシャリスト養成機関として 「遠距離介護支援協会」を設立。
現在、NPO法人ライセンスワーク代表理事、遠距離介護支援協会代表理事 鳥取県協働連携会議委員も務める。
行政の有識者会議に参画する看護師であり、ケアマネージャーの資格も有する。
各メディアの出演多数。「女性のチャレンジ賞」男女共同参画担当大臣賞受賞など

インタビュー

Q.起業したきっかけは?

看護師として仕事を続けながら、子育てと共に伯母の介護も担っていたころ、「女性だし、嫁だし、看護師の資格も持っているし」と自ら背負い込んだ介護に疲弊しました。介護保険では定型的サービスしか受けられず、自由な時間や柔軟な支援が得られなかった経験の中で「遠距離介護や働きながら介護する人の負担を軽減したい」「だれもやらないなら私がやる」との強い意志が芽生え起業に至りました。

Q.キャリアや仕事を大事にする時に悩んだことは?

起業のタイミングは、子育てが一段落した時を選びました。というのも、ワンオペに近い状況での子育てをしており、「今は起業に集中できない」と、自らにブレーキをかけていたためです。

実際に起業後も、周囲からは「家族を優先すべきではないか」「実質的な経営者は夫で、妻は名ばかりなのでは」といった声を向けられることがありました。女性がキャリアを優先することが、家庭を犠牲にしているように見られる――そうした偏見に傷つき、葛藤を抱えたこともあります。

Q.キャリアや仕事のために払った犠牲は?

犠牲はありません。
むしろ、私が仕事に専念したことで、子どもたちの自立心が育まれたと感じています。
自分から進んで家事をこなし、塾や習い事にも可能な限り自力で通っていました。
そうした経験は、その後の進学先での生活にも大いに活かされたと思います。

Q.どんな風に自分のモチベーションとうまく付き合っている?

自分のモチベーションとうまく付き合うために、毎週末、起業家仲間とオンラインでつながる「もくもく会」を企画しています。
ひとりで仕事をしていると、どうしても孤独になりがちですが、同じ境遇の起業家仲間と同じ時間を共有しながら作業することで、不思議と気持ちが軽くなり、前向きに取り組めるようになります。この小さな習慣が、私にとって大きな支えになっています。

Q.あなたの強みは?

粘り強さ

Q.人生の中で何を一番大切にしている?

時間

Q.ビジネスを自分ですることで気づいた教訓は?

他人は思い通りにならない──だからこそ、過度な期待はしないようにしています。
期待が大きいほど、思い通りにいかなかった時の落差も大きくなります。
人は人、自分は自分。そう割り切ることで、感情に振り回されずにいられます。

Q.今までに人生で一番辛かったこと

孤独な介護

Q.その辛かったことをどう乗り越えたか

他人は思い通りにならない──だからこそ、過度な期待はしないようにしています。
期待が大きいほど、思い通りにいかなかった時の落差も大きくなります。
人は人、自分は自分。そう割り切ることで、感情に振り回されずにいられるようになりました。

Q.ビジネスを始めるにあたって、一番心に残るアドバイスは誰から?どんな?

先輩起業家から
命まで取られるわけではない。恐れず、大胆に攻めよ。

Q.2030年の自分はどうなっている?

私は自分自身を会社と捉えています。2030年には、志を共にする仲間を迎え入れ、東京都内の顧客数を現在の10倍に拡大したいと思っています。

Q.これから起業したいと思っている人へのメッセージ

世の中の見え方は変わってきます。
以前は不満に感じていたことも、前向きに捉えられるようになりました。
経営者の視点で生活することで、社会をさまざまな角度から見ることができるようになります。
これからも、日本経済をより良くしていく志を持った仲間が増えることを心から願っています。

他のインタビュー記事

まだ投稿はありません